2017年10月12日(木)
 
絵画道場シリーズ「絵画への意志」Vol.70
「津田紗那実×藤中里咲」会場にて
 
 
津田紗那実さん×藤中里咲さんの作品をめぐってディスカッションが開催されました。
今回の絵画道場は四大と短大から各1名、二人の合同の展覧会として開催しています。津田さんは四年生大学の二年次生、藤中さんは短期大学の二年次生。展示は大学の玄関ホール2階にあるラウンジで行われました。
 

 
[津田さんの作品]
 

津田さんの作品はキャンバスに油彩の作品が7点。紙にドローイングの作品が10枚、紙が重なり合うように展示していました。
津田さんの作品は「愛」を根底に持ち制作していると言います。「身近なもの、いいなと思ったらすぐに写真に撮る。それは主に人で、友人が多い。後に、カメラロールを見てこれを絵にしたいと思ったら選択して描く。好きだな、きれいだなと思った感情を絵に残さないと消えてしまうから自分にしかできない表現をしたい。「愛をかたちにする」それが今のテーマである。」と津田さんは言います。

《ichibu》 油彩/キャンバス、727弌606弌2017年

今回展示している作品の《ichibu》は亡くなった津田さんのお祖父さんが住んでいた玄関を描いたものだそうです。「この場所は祖父を感じる。おじいちゃん、傘たくさん持ってたな。とかお祖父ちゃんの色んなこと考える。」
 
津田さんの「愛」には色んな種類があってどれか限定はしていなそうです。
 
 
[藤中さんの作品]

 
藤中さん作品について
「誰でも描ける絵が嫌いになった。曲線(山)描いてた時の「心の形」を現在描いている。」
 
藤中さんにとって感情とは「負」であるといいます。
津田さんと藤中さんは制作で共通している点は、「感情」をモチーフにしているところが二人は共通点だと感じたそうです。トークもこの「感情」を主題に繰り広げられました。

《まんねり》 油彩/キャンバス、727弌1167弌2017年
 
藤中さんへの質問
「観てる側からは「負」は絵からは感じない。とてもクールに見える。藤中さんにとって「負」は原動力なのでは」という意見が出ました。二人がモチーフにする「感情」という言葉は似ているように感じますが、津田さんの感情とはその時に得た感情を忘れないようにするため作品として扱うモチーフになる感情。藤中さんの感情は制作する上での「原動力」として感情があり、モチーフにしているものは別にあるのではいう可能性もディスカッションの中で出てきました。

藤中さんのモチーフは山を描いているようにも見えるし、藤中さんの内にあるものの引き出しとして「山」があり、描いている際は「山」を描いている感覚ではないのではないか。もっと記号的なものを感じ描いているのではないかという意見も出ました。キャンバスに向かい、制作している時の感情は絵と対話する一対一の関係であり、「個」として制作しているのではなくキャンバスの形、空間、様々な要素と作家自身が対話しながら制作しているのではないでしょうか。藤中さんの絵から、そして制作する姿を見てそう感じるものがありました。



制作してる際は確かに作品へ作家個人の感情も含んでいるが、感情だけではない何か。その「何か」が自分が制作していく上で、また完成したあとで冷静に考察し分析することも大切であるなと。そう感じるディスカッションでした。また合同展ということもあり、お互いの制作、作品について話し合ったり、興味を持ち共通点を探したり。ディスカッションをより濃いものにしようとする姿勢にとても気持ちの良いものを感じました。





[文:短大美術研究室教務助手 上野千紗]




18/01/11