研究室スタッフ紹介

宇野和幸
宇野 和幸  uno kazuyuki
  • 「気配としての実在」を具現化すること、「ズレが産み出す実感」の違和感を炙り出すこと

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投稿された月 June 2010

Landscape of Fragment in NY

ニューヨーク、セーラムギャラリーでの個展の様子です。


会場風景


レセプション風景


オーナーのニコラスさん


現地在住の中里 斉さんと奥様にもいらしていただきました。
ちょうどNY研修中だった多摩美日本画の武田先生、
今回ご一緒した同じく多摩美油画の木嶋先生。

多摩美には「NY多摩美会」なる同窓会組織があるそうです。
いいなぁ、嵯峨芸もつくろう!NY支部。



NYの美大の学生たちと





NYでは、展覧会期間中にその作家が会場にいるなんてのはとんでもなくかっこ悪いことだそうだ。
だから、レセプションの時以外には画廊に来るな、と言われた。
作家に会いたければレセプションに来い、という設定になっている。
「作品を前にして作家に会える」という機会の価値を高める意図もあるそうだ。

そうか〜いつも安っぽいことをしてたのかぁ!と、ドキッとしたが、日本は別だから。ホッ。

レセプションはギャラリーにとっては大事なビジネスの場面。主役はギャラリー。
こちらはこちらで、いろいろな人が作品について質問やら感想やら、私の予算に合う作品はどこにある?など、結構忙しい。

10/06/16

卒業式の日に

3月20日卒業式。



みんな、卒業おめでとう!


正直なところ、卒業させて良いものか???と、ずいぶん悩んだ学生もいたけれど。
研究室の教員みんなが毎日胃が痛くなるような思いで考えて検討を重ねたけれど。
良かった。みんな卒業できて。
卒業式の日にみんなの顔を見てるとつくづく良かったなぁと思います。


世の中 景気が悪かったり、就職難だったり、大学新卒生には厳しい時代のようだけど・・・。

でも、実はそんなことはあまり関係ない。
問題はヴィジョンの明確さだ。それに取り組むエネルギーだ。


かつて、訪ねて来た卒業生と「『もう少し(作品制作を)やってみても、芽が出なそうだったらやめなさい。』みたいなことを親に言われた。」という話になった。「今ならまだ足を洗うのに間に合うだろうから。」と、思い悩んでいるとのことだった。
「無理だから。間に合うかどうかの話じゃなくて、もう『美術の人』になっちゃってるんだから、作品を作るか作らないかは置いといても『足を洗う』とかは無理。」と答えたように記憶している。

作品で食っていかなくても、絵を描かなくなったとしても、子育てに専念していても、君たちはアーティストであり続ける。

美術の人達はたぶん、科学的な分類とは違ったところで「人種」が違う。「部族」が違う。
きっと美術部族は、都会(まち)にいながら株や原油の値動きと関係ないところで、見えない獲物を追ったり仕掛けを作ったりして暮らしている少数部族なのだろう。だから社会の大方の流れにしっくりと来ないものを感じるのも無理はない。
でも都会で暮らす以上は、それなりに折り合いをつけて生きていかなくちゃいけない。
それが世間で言う「自分探し」ってやつの本質だな。誰が自分で自分なんか探すんだよっ。自分と外界の折り合いの付け所を探っているに過ぎない。普通のこと。

でも我々美術部族の「精霊」を大切に、誇りを持って抱いていかないといけない。
「これは、自分は今、美しいか?」と問いかけながら。
それが信じられなくなって、他部族の異教徒の神様(金持ってるか?権力持ってるか?とかね。)に惑わされちゃうと、我々部族の神を失っちゃうとつらいよ、・・・たぶん。でもまぁ、もしそうなっちゃったら、そんな時は潔く違う人種になっちゃいなさい。それもよし。
人種にさえこだわらないのが、我々の部族の矜持でしょ。

あぁ、美術の部族でよかった。

でも、ひとこと言っておきたい。
ヴィジョンのないフリーター生活に安易に入ってはいけない!
何とかなるだろう、と思っても何とかならない。何とかなりそうな気がするのはとりあえずの間だけだ。なぜなら、基本的に世の中そういう風にできている。フリーター生活を続けて得することは、まず無い。

そこだけはしっかりとわかっておいて欲しいと思う。
外国文化に対する知識ももっておこう!みたいなもんかな。


美しくあれ!

(2010.3.26 NYへ向かう飛行機の中で)




卒業式の日は久しぶりに朝まで付き合っちゃった。(--;)
さすがに、もうキツイ。来年は勘弁してくれ・・・・・。
10/06/16


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