研究室スタッフ紹介

宇野和幸
宇野 和幸  uno kazuyuki
  • 「気配としての実在」を具現化すること、「ズレが産み出す実感」の違和感を炙り出すこと

金沢<12visual points>番外編

たくさんの卒業生達とも会えた金沢での展覧会。


八嶋君、安田君、田中さんと。


いちごむすめ・吉井さんは、ワークショップへの作品提供とお手伝いもしてくれました。


中道さん、林さんと。



展覧会の期間は金沢でさんざん飲んだ。
馴染みの店が2〜3軒できたほどだ。
展覧会メンバーと飲み、卒業生と飲み、学生と飲み、金沢の知人と飲み・・・・。
後日カードの請求額を見て呆然としたというおまけつき。(--;)



卒業生のグループが、恒例の美術館めぐり旅行のルートに金沢21世紀美術館も入れて計画してくれたそうで、久しぶりに会えた人もいました。
展覧会場で「ありがとう。またね!」と別れたその後で、同じ居酒屋でばったり。「なんだ、今日は金沢泊りだったんだ!?」ってことで、合流して2軒目のバーへ。



ここは、展覧会の1年前の現地打ち合わせの時からの馴染み。
美術館に打ち合わせに行く前夜に金沢入りして、金沢の作家や金沢美大の先生と待ち合わせて食事。雪の降る寒い日だった。(かな?!)
その後、2次会か3次会でいったこのバーで、酔った勢いで「来年の暮れに素晴らしい展覧会をやるからおぼえといてくれ」とか、「そんなわけでこの店ならではの美術的カクテルを飲ませろ」だのと店長に絡んでいた。

「時々寄るからね〜」とか言いながら、当然のように行くわけがない。金沢は遠いし。
でも、1年後に展覧会が始まってから行ってみたら、(たぶんうっすらとだろうけど)覚えていてくれた。で、改めてポスター・カタログを渡して「ちゃんとお客さんに宣伝してくれなきゃ!」なんてまた絡んだり。でも、店長さん見に来てくれました。お店にカタログも置いておいてくれてました。
そんなこんなで、何度となくこの店には飲みに行った。一人だったり、グループでだったり。金沢に行ったときには1日おきくらいには顔を出していたかもしれない。



ここでは、ある時間帯にお客さんの誕生日だったり、何かの記念日だったり、ちょっとしたワケアリの人だったりを肴?にフレアパフォーマンスでスペシャルカクテルを作ってくれる。ビンやらシェイカーやらを投げたり回したりしながらダンスをするようにして飲み物を作るあれだ。昔トムクルーズが映画でやってたヤツね。
展覧会メンバーの小森さんは「俺はあれが見たいんだぁ、あのビンを投げるやつぅ」「つまみはいらないからあれをやってよぉ」とおねだりをして何度か見せてもらっていた。で、いよいよ最終日という時に、スペシャルサービスとして展覧会メンバーを代表して私もカクテルを作ってもらった。誕生日だか定年だかのお祝いのおじさんと一緒に。
その日2度目のパフォ−マンスは店内のお客さんもあまり入れ替わってはいないタイミングだったけど、なかなかの盛り上り。LED仕込みのアイスキューブなんかも入っていてとってもきれいでした!でも、カクテルはノンアルコール。まあ、そうか。



おかげで、楽しい記念の夜になりました。
小森さん、絡んでくれてありがとう。
上の文章で、へぇ宇野先生でも酒飲んでお店の人に絡んだりすることもあるんだぁ・・と思った人もいるかもしれません。それは誤解です。絡んでいたのはいつも小森さん。
私は冷静です。


11/10/09

夏バテ防止法?!

今年の夏は暑い。狂ったように暑い。

卒業生から展覧会案内のメールに添えて、「私の夏バテ防止法!それは朝一でスイカを食べることです!!」というコメントが届けられた。そういえば今年の夏はあまりスイカを食べていない。そう思うと無性にスイカが食べたくなった。(で、その日のうちにスイカを買いに行ってしっかり冷やして…ガブリッ!シャクッ!)

私の場合夏バテ防止法というのではないけれど、この夏に好んでしていること、お気に入りのすっきり爽快アイテムがある。 それは、  

    カルピス!

「夏の風呂上がりにはやっぱりビールだよねぇ!くぅーー!うまい!!」なんてのが定番なんだろうけど、カルピス!!風呂上がりも、外から帰ってきた時も、寝覚めにだって、カルピスがうまい!
そういえば昔はお中元の定番。茶色いビンのカルピス原液がいつも冷蔵庫に入っていた。今は紙パックになってるけど、1L入りのやつには「業務用」みたいなことが書いてあったりする。
子供のころはなるべく濃いカルピス、それが好きだった。
でも今は薄いのが好き。 もう大人だから。 ・・・・。

愛用の大きめのグラスに氷をたっぷり入れて、カルピスを13mm。ここが大事なところだ。クールにカルピスを決めるなら、ジャストな原液さばきが不可欠だ。1mmの狂いも許されない。
次にミネラルウオーターの投入。ここで焦ってはいけない。まずは原液に対して2,5倍のミネラルウオーターを、マドラーでかき混ぜながらゆっくりと注ぐ。マドラーは猫のしっぽの形のものが望ましい。グラスの内側の面に沿うように大きくゆったりとステア。
カルピスと水・氷がじんわりと馴染んだ頃合を見計らって、ミネラルウオーターを注ぎ足しながらマドラーの先端に意識を集中してステア!→高速ステア!!→超速ステア!!!
すぐにグラスを持つ指先にキンキンに冷えたカルピスの感触が伝わってくる。
グラスの中で目まぐるしく回転する角の取れた氷たちが落ち着いたら、色合いの確認。厚手の擦りガラスを3枚重ねにしてケント紙を透かし見るような色になっていれば、完成。

うまい! 生き返るようなうまさだ!


もう一つの夏のお気に入り。
ニッキ水。
駄菓子屋で売ってる黄色やピンクや緑の、小さな瓶詰の液体。これはベタベタに甘い。いかにも体に悪そうな強烈な甘さ。でもニッキの香り・風味も強烈で、この甘さと爽快風味のバランスがたまらない。栄養ドリンクよりも元気になる。
そういえば、黄色いニッキ水なんかは病院で見る「強力点滴」みたいな色に見える。なるほど元気が出るはずだ。

この二つがあれば猛暑が続く京都の盆地でも、暑さに負けずに快適に夏が乗り切れる。
お試しあれ。

(注:ここに紹介した飲料の効果には個人差があります。効能を万人に保証するものではありません。また、お飲みになる場合は、本欄説明に記載された方法及び分量を正しく使用してください。万一、間違った用法で重大な事態をj引き起こした場合、著者及び京都嵯峨芸術大学は一切の責任を負いません。) 






10/08/31

RG1/1 GUNDAM PROJECT !

昨年の夏は東京・お台場で等身大ガンダム!
・・・  そして今年は静岡で等身大ガンダム!

ガンプラ30周年記念のイベントで模型・プラモデルの町、東静岡で来年3月までの長期設置。
リアルグレード・ガンダムプロジェクト!今度はビームサーベルを持っている!
新幹線からも一瞬ですが、見えます。

まだ、見に行ってませんが ・・・・・限定ガンプラ ゲット!


「関係者」である友人から非売品のレアものをいただきました!

現地ではこの袋を持っていると、ファンの羨望と嫉妬のサイクロン状態となった目線が怖くて、いつ襲われるかと顔をあげて歩けいないほどだったとか。持ち歩くのが恐ろしくて、中が見えないように厳重に梱包して、宅配便で
自宅宛に送ったそうだ。


輝く!(?)「Not For Sale」の文字!

ふふん、ただの自慢だよ。い〜だろう。
10/08/07

ニューヨーク日記

ニューヨークを訪れるのは10年ぶりくらいかな・・・なんて漠然と思っていたが、良く考えてみると20年ぶり以上だった。なんだか軽くショック。もうそんなに前だったんだ。

タクシーで空港からホテルまで。
今回滞在するホテルはここ、スカイラインホテル。
10th Ave.49St.


マンハッタンらしくない低層ホテルで、どことなく懐かしいような馴染みがあるようなリーズナブルなホテルだ。リーズナブルとはいっても、1泊\15,000ほどで全然安くなさそうに思えるが、マンハッタンではかなり安いほうだ。



部屋もクイーンサイズベッドのツインで広くて快適。昔泊まった42丁目の安ホテルとはえらい違いだ。
たしか「Hotel National」。今もあるのかどうか知らないが、留置場のような部屋だった。(留置場経験があるわけじゃぁないが) 当時1泊$50くらいだったのを記憶している。現地の人に、そんな値段で泊まれるホテルがマンハッタンにあるのか!と驚かれた。暑さと外の喧騒、ひっきりなしに鳴り響くサイレンに水場を這いまわる得体の知れない虫。寝るに寝れない一夜を過ごして早朝にホテルを後にした。そんなことを思い出した。





時差ぼけのまま夜が明ける。



おーっ馬車。セントラルパーク付近へ「出勤」かしら。

デリ(コンビニみたいなお店)でハンバーガーとコーヒーを買って、ホテルのエントランスのベンチで通りを眺めながら朝食&一服。
マンハッタンでは建物内は禁煙。その代わり・・・でもないだろうが路上喫煙OK。で、みんなポイ捨て。なんかいかにもアメリカな感じ。


さあ、まずは今回の個展会場となるギャラリーへ行こう。


ホテルから10th.Aveを歩いてダウンタウンへ。チェルシー地区へ。
ギャラリーまで23ブロック、普通に歩いて30分くらいだろうか。


DELIの赤い壁。 この、「概ね赤」って感じが良い。


10th Ave.をへだてて東側のエリアは落ち着いた感じの住宅街。
中高層のマンション群がのどかに立ち並ぶ。マンションの公園。遊具がNYだね。ジャングルジムがエンパイアステートビルとクライスラービルになっている。


幼稚園の壁。なんてことのない壁画だけど、登場アイテムはNYテイスト。
あ、すごろくになってるんだね。


今回の展覧会場「Saelum Gallery」のあるビル。このビルの中に20件以上の大小のギャラリーが入っている。 アーティストのスタジオも結構ある。


ビルのエントランス。プレートにはギャラリー、スタジオの案内がびっしり。
この、ミラーボールのようなオブジェも誰かの作品なのだろう。


チェルシーの画廊の窓から。工事中の高架エリアは「ハイライン」。
廃線になったかつての貨物鉄道を空中庭園的公園にしようという試み。
なるほど、チェルシーあたりはかつて貨物倉庫なんかがいっぱいあった地域なのだろう。そういえばそんな雰囲気があるし、大きめのビルには立派な荷捌きスペースや貨物用大型エレベーターがある。
Saelum Gally のオーナー、ニコラスさんは「次に来る時までには完成しているよ。そこでのんびり楽しんだら?!」と言ってくれる。いずれNYの新名所になるのだろうか。



NYといえば、地下鉄が怖いので有名だった。
たしか前に来たときにはドキドキしながら「怖くない路線」の警官が乗っている車両を選んで乗っていた。
それでも、ほとんどの車両は落書きだらけ、電車に乗ればでかいラジカセ担いだでかい兄ちゃんが練り歩いてたり、大袋を引きずったおばちゃんが何かを売り歩いてたりで、車内は地上とは別の社会がうごめいている感じがあった。駅構内も暗い。改札口は全部檻のようにパイプで仕切られていて、狭い回転ドア思いっきり体重をかけないと動かないような重さで回る。
NYのイメージの半分は地下鉄のイメージと重なっていた。

それが今はこんな感じ。


東京の古い地下鉄駅の感じとそう違わない。


車内も落ち着いたものだ。
安心なんだけど、それはそれでちょっと物足りない。

そういえば、前はトークンという専用コインで地下鉄もバスも乗っていたけど、今は磁気カード。
このカードを改札機に通すのだけれど(日本とちょっと違って、入れて読み取って戻ってくるタイプ)、ちからの入れ具合にコツがいる。
どこの国に行っても日本の機械ほど良く出来ているものはない。自動改札にしても、自動販売機にしても。日本の自動改札機なんか、軽くチケットの先端が触れただけでもすごいスピードで飲み込んで、読み込んだり穴をあけたりスタンプを押したりして、あっという間に前方に排出。おまけに取りやすい状態にして待っててくれる。人の流れがせき止められるようなことは無い。これぞ「自動」って感じだ。
それと比べると、NYの改札機は「半自動」みたいなところがある。
今回は7日間のカードを買ったので、地下鉄・バスは乗り放題。乗り間違えても安心だ。地下鉄も怖くなくなったしね。(実際に何度か間違えた。同じ色の路線にA/B/Cなどの複数の記号がある場合、どれかが快速だったり行先が枝分かれしていたりする。わかりやすいようなわかりにくいような。習慣の違いなのかね。)



マンハッタンおぼろ月夜



なかなか眠れなかったり、早く目がさめちゃったり。


・・・で、窓から外の写真ばかり撮っていた。



3日目の夜から雨。
翌日もずっと雨。けっこう降るなぁ・・・と思っていたら、ニュースでは車が水没している映像が・・・ニュージャージーって言ってる。すぐとなりじゃん!

ほぼ台風。

でも、ぐしょぐしょになりながら、傘をお猪口にしつつ、画廊めぐり。
せっかくだからねぇ。見とかなくちゃ。

チェルシーの画廊街を片っ端からのぞいていく。
こんな天気でもそこそこ画廊めぐりをしている人達はいる。

さすがにほとんどのギャラリーは天井も高く、フロアも広い。ハコのスケールが違う。その中でも作品は負けていない。というよりも、気合の入っているギャラリーはその作品のためにしつらえられた空間としてそこにある。
作品を最大限効果的に展示するために、内装までも変えてしまう。
この思いきりというか、作品に対する敬意というか、エネルギーは、やはりすごいと思う。

それにしても、ちょっとした美術館といった画廊が多いのには驚いた。


・・・・・

   ・・・・・・・

      ・・・・・・・・・・・  






一夜明けたらほんのり月が。 台風一過の夜。



マンハッタン名物?マンホールからの蒸気。


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街歩き。


んーっ、ハデ!消防車 with I love NY T-シャツ


ロックフェラーセンター前で。
カウントダウンなんかで盛り上がるところですね。
ビルの狭間にスケートリンクがあって、結構沢山の人が滑っている。中にはフィギュアスケートの練習?選手なの??って感じの、妙に上手な娘が気持ちよさそうにくるくる回ってる。
順番待ちの列も長い・・・。で、滑るのあきらめて(すべるつもりだったんかいっ!)MOMAへ。



MOMA近くのセントパトリック教会。ちょうど礼拝中だった。



MOMAの窓から。 モンドリアン「ブロードウェイブギウギ」のようなビルの眺め。

MOMAでは館内で写真撮影がOK。フラッシュは禁止なんだけど、警備員によっては全く注意しない。
もちろん作品も撮影してかまわない。
だからお気に入りの作品の前で記念写真!っていうのもアリ。





こんなふうに美術館を楽しむのも良いなぁ。
厳重に管理して非日常の中でありがたがって拝むのではなく、日常的に美術作品に触れていて、それに対する敬意みたいなものがレディファーストみたいな感じに自然に共有されている。
写真は写真、記録でしかない。
本物に手を出さなきゃ、画像くらい持ってっても構いませんよ?!それが何か?って感じがいいねぇ。

んじゃ、おいらも一人記念写真を・・・。




これは別の日。
ロウアーマンハッタン、ウォールストリートの少し先の船つき場近く。


なんてことのない空き地の駐車場脇のビルの壁。




全部絵です。
んー、よくできてるなぁ。はなぐもりの陽の光がちょうどいい。
この建物が本当にこんなふうになっていたら、隣のビルがなかったら、まさにこの絵のように、その位置にブルックリンブリッジが見える。
実際の風景を意識した構成になっている。
どの位置に立ったら、実景と壁に描かれた風景が一番ぴったりつながるか・・・としばらくうろうろしていた。

ベンチで本を読みながらスタバコーヒーを飲んでるおじさんと目が合う。
「いいね、これ。この壁画。」
「・・・そうかね。    ・・・そうだな。 ・・・」



そのまま橋を目指して歩いていく。
実は今回ぜひ行きたかったところ、したかったことのひとつに「ブルックリンブリッジを歩いて渡る」というのがあった。
事前にガイドブックで確認したところ、今年は大改修工事を行うので通行禁止になるということだった。だから半分あきらめてはいたのだけれど、せっかくだから見るだけでも見て帰ろうと思っていた。
近くに来てみると、なんとなく橋の上に人影が見えるような気がする。はっきりとはわからないけど人の頭みたいのが動いてた!これはいけるかもしれない!!と、橋の下まで。
この橋は2層になっていて下は普通に車が走っている。その十数メートル上に人が通れる部分がある。足元は木材。これが老朽化しているので全面的に張り替えるらしい。これが近くまで寄ってきたせいで、急角度で見上げる形になって余計見づらくなってきている。
たぶん人がいた。いける!
と、思ったもののどこから上がれるのかわからない。
橋はもう見えてるのだから、近くまで行けば何とかなるだろう。



・・・・・でも、上がり口が見つからない。車はどんどん橋に向かって走っている。どうやら車の入口はこの辺らしい。合流レーンではあるけど。で、人間はどこから?
いくら探してもわからないので、通りがかりの女の子をつかまえて「どこからブルックリンブリッジにいけるの?」と聞いてみた。大学生くらいの女の子。この世代は、我らが京都嵯峨芸術大学で馴染みがあるからなんとなく声をかけやすい。
「この坂を上ったところに市役所があるから。その横の道から橋に出られるよ。」と教えてくれる。ありがとう。

長い坂道を登りきると、そこにはペース大学という建物。
あ、ここの学生さんだったのかな?! なんかデザイン学科とかあるみたい。同類だったのね、あの娘さん。

大学の向かいに市庁舎があり、その脇には教えもらったとおり橋へと続く道があった。

なんだ、こんなふうにつながってるんだ。






念願のブルックリンブリッジ。

この時点で午後7時過ぎ。まだ驚くほど明るい。途中で引き返そうかと思ったけど、せっかくなのでブルックリンまで歩いて渡っちゃおう。

地図(地下鉄路線図)で見ると、ブルックリン側の橋のたもとあたりに駅がありそうだったので探してみた。けど、見つからない。

おかしいなぁ。 この辺のはずだが。 こんなに歩かないよなぁ。

ちょっと迷子になっちゃいました。
疲れているし、あたりは暗くなってくるし、あまり人は歩いてないしで、だんだん気持ちが焦ってくる。暗くなっちゃったらちょっと怖そうな感じだなぁとドキドキ。バスは見かけるけど行先は全然違う方向のようだ。タクシーも見かけない。
困ったなぁ…。
と思っていたら、前から素敵な女性が歩いてくる。会社帰りのOLさん?!
これを逃してはならぬ!と道を聞く。やさしい声で親切に地下鉄の駅を2つ教えてくれる。「こっちの駅は公園の反対側だからきをつけてね。」 こんな時ってなぜか無意識に?女性に訪ねてるなぁ。
おかげさまで無事に駅を見つけて帰れました。ありがとう。



じつは、ブルックリンブリッジに行く前には「観光名所」へも足を運んだ。
せっかくだから自由の女神でも見とこうかなと、バッテリーパーク(フェリー乗り場)へ。
リバティー島に上陸して展望台までいける観光フェリーの料金は$12。
結構高いし、混んでいる。待ち時間も結構ありそうだし。どうしようか悩んでいるうちに、まあいいか、と結局スタテン島行きのフェリーに乗った。これは地元の人の足として使われている隣の島までの「渡し舟」的な公共交通機関のフェリー。無料。
自由の女神の近くを通る航路で、20分ほどで到着。お手軽な観光手段として結構有名だ。
前に来た時は学生の貧乏旅行だったので、当然のように無料コースだったけど、今回はケチケチせずにおとなの観光するぞ!と思ってはいたけど、どうしても$12が使えない。たぶん、誰かと一緒ならあまり躊躇なくチケットを買ったんだろうなぁ。一人で行動しているとどうしても節約してしまう。



バッテリーパークのフェリー乗り場近くではこんな光景が。
公園のあちこちにこんな格好のおにいさん・おねえさんがいる。



フェリーから自由の女神を鑑賞(?)。


振り返るとマンハッタンの高層ビル群が見える。

・・・・・・なんか違う感じが・・・!?

ビルが林立する島が3つ並んで見えるのだけれど、ぱっと見、どれがエリス島でどれがマンハッタンでどれがブルックリンだかわからない。

そうか。 ないからだ。 ツインビルが。


なんという喪失感。
かつて同じ場所から見たマンハッタンは圧倒的な高さを誇る貿易センタービルがそびえたっていて、どこから見ようが間違えようもない強烈な存在感を放っていた。それが今は、少し離れた海の上から見ると似たような高層ビルが全体的に並んでいる。確かツインビルは周りのビルの倍ほど高かった。すぐ隣の黒いビルのはるか上までくっきりとそのシルエットが見えていたはずだ。

「911」はそういうことだ。
はじめて、情報ではない、なくなったものが、 わかったような気がした。



貿易センタービル跡地はグランドゼロと呼ばれ、既に再開発工事が始まっている。
もう一つの、そして一番の、今回どうしても行きたかったところが、ここグランドゼロだった。





観光客も多くみんながカメラを向けているが、何も知らなければただの大規模開発工事の現場でしかない。
しかし、そのすぐ隣には消防署の911記念館がある。その片隅にあの時の救助活動で命を落とした消防隊員の名前を刻んだ追悼プレートがあり、いまも花を手向ける人が絶えない。


工事の足場で全貌は見えないが、長いレリーフが建物の側面に設置されている。911がモチーフだ。









グランドゼロに近いセントトリニティ教会。ニューヨークで一番古い教会だそうだ。


滞在最終日。この日はオープニングレセプション。明日には帰国しなくてはならない。(それでも入学式には間に合わないんだけど。入学式の最中には空の上です。)

オープニングレセプションの前にSOHOのギャラリーを巡る。
以前来た時にはここがギャラリーの中心街だった。

家賃の安い治安の悪いエリアにアーティストがスタジオを借りる、アーチティストが集まってくる、ギャラリーも集まってくる。 ・・・・で、そのエリアのイメージがよくなり治安もよくなる、エリアの価値が上がって家賃も高騰。そしてアーティスト達は別の新たな安いエリアに移動を始める。そんなふうにギャラリー中心街は移っていくそうだ。

かつてのギャラリー中心街・SOHOも今は高級ブティックやおしゃれなカフェがそこらじゅうにある。
ギャラリーの数もだいぶ減った。



上品でおしゃれになったSOHOの街並み。


あ、でも、あった、あった。往年の雰囲気をそのまま残す落書きだらけのビル。
見た限り、ほんとにこの1件だけで、ほかには一切見当たらない。


木嶋さん、吉岡さんと昼食を食べに入ったイタリアンカフェで、篠原有司男さんと会う。こちらもご夫婦そろっての昼食のようだ。
思い切って話しかけちゃおう!
多摩美の木嶋先生は、篠原さんとは昨年大学に講演会に来ていただいたご縁で面識もある、とのことで心強い。
ひとしきりごあいさつと個展のご案内。
「今日がレセプションなんです。」
「あぁ、案内状はもらってるよ。今日は行けないけど会期中には行くよ。それよりうちに遊びに来るかい?ブルックリンのダンボってとこなんだけど。明日おいでよ。」
いきなりのフレンドリーなお誘い!
「明日は午前中に帰りの便が出るので・・・。残念ながら…。」
「えーっ、そうなの?もう帰っちゃうの?」

行きたかったなぁ。篠原さんのアトリエ。




タイムズスクエア



もう12時をまわってるのにこの明るさ。この賑わい。
新宿、歌舞伎町も負ける。きっとこいつら、エコとかCO2削減とか、まったく気にしてないだろ!
アメリカ人が本気で真面目にエコに取り組んだら、地球温暖化なんてすぐに解決しちゃうんじゃないの?


吉岡まさみ氏と。


お馬さんも遅くまでごくろうさま。お疲れ様です。



前は「NYは緊張感とエネルギーで踏ん張っていないととてもじゃないけど暮らせない街だ。自分にそれが出来るだろうか?」と考えたものだった。
今回久しぶりに来てみると、街も少し変わって自分も少し変わったからか、「やはりここはいい!できることならNYで暮らしたい!」そんなふうに思っている自分がいた。





10/07/31

中里斉さんの訃報

先のブログにあるように、今年の春のNY個展の際に中里斉さんにお会いした。
レセプションにお越し頂き、短時間ではあったがいろいろお話をさせていただいた。

その後、6月には帰国され母校の多摩美でも講演会を行っておられた。
ちょうど今、町田市立国際版画美術館で個展開催中(8月8日まで)である。

その中里さんが、日本時間18日になくなられたとの知らせ。

ショックでした。

聞けば、7月中旬にニューヨークのご自身のスタジオで脚立に乗っての制作中に転倒、頭部を強打、入院されていたいたということです。


         心よりご冥福をお祈りいたします。




少し前には荒川修作さんが、やはり日本での展覧会の最中に亡くなった。

・・・・・ ・・・・・ ・・・・・。



10/07/26


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