研究室スタッフ紹介

宇野和幸
宇野 和幸  uno kazuyuki
  • 「気配としての実在」を具現化すること、「ズレが産み出す実感」の違和感を炙り出すこと

卒業式の日に

3月20日卒業式。



みんな、卒業おめでとう!


正直なところ、卒業させて良いものか???と、ずいぶん悩んだ学生もいたけれど。
研究室の教員みんなが毎日胃が痛くなるような思いで考えて検討を重ねたけれど。
良かった。みんな卒業できて。
卒業式の日にみんなの顔を見てるとつくづく良かったなぁと思います。


世の中 景気が悪かったり、就職難だったり、大学新卒生には厳しい時代のようだけど・・・。

でも、実はそんなことはあまり関係ない。
問題はヴィジョンの明確さだ。それに取り組むエネルギーだ。


かつて、訪ねて来た卒業生と「『もう少し(作品制作を)やってみても、芽が出なそうだったらやめなさい。』みたいなことを親に言われた。」という話になった。「今ならまだ足を洗うのに間に合うだろうから。」と、思い悩んでいるとのことだった。
「無理だから。間に合うかどうかの話じゃなくて、もう『美術の人』になっちゃってるんだから、作品を作るか作らないかは置いといても『足を洗う』とかは無理。」と答えたように記憶している。

作品で食っていかなくても、絵を描かなくなったとしても、子育てに専念していても、君たちはアーティストであり続ける。

美術の人達はたぶん、科学的な分類とは違ったところで「人種」が違う。「部族」が違う。
きっと美術部族は、都会(まち)にいながら株や原油の値動きと関係ないところで、見えない獲物を追ったり仕掛けを作ったりして暮らしている少数部族なのだろう。だから社会の大方の流れにしっくりと来ないものを感じるのも無理はない。
でも都会で暮らす以上は、それなりに折り合いをつけて生きていかなくちゃいけない。
それが世間で言う「自分探し」ってやつの本質だな。誰が自分で自分なんか探すんだよっ。自分と外界の折り合いの付け所を探っているに過ぎない。普通のこと。

でも我々美術部族の「精霊」を大切に、誇りを持って抱いていかないといけない。
「これは、自分は今、美しいか?」と問いかけながら。
それが信じられなくなって、他部族の異教徒の神様(金持ってるか?権力持ってるか?とかね。)に惑わされちゃうと、我々部族の神を失っちゃうとつらいよ、・・・たぶん。でもまぁ、もしそうなっちゃったら、そんな時は潔く違う人種になっちゃいなさい。それもよし。
人種にさえこだわらないのが、我々の部族の矜持でしょ。

あぁ、美術の部族でよかった。

でも、ひとこと言っておきたい。
ヴィジョンのないフリーター生活に安易に入ってはいけない!
何とかなるだろう、と思っても何とかならない。何とかなりそうな気がするのはとりあえずの間だけだ。なぜなら、基本的に世の中そういう風にできている。フリーター生活を続けて得することは、まず無い。

そこだけはしっかりとわかっておいて欲しいと思う。
外国文化に対する知識ももっておこう!みたいなもんかな。


美しくあれ!

(2010.3.26 NYへ向かう飛行機の中で)




卒業式の日は久しぶりに朝まで付き合っちゃった。(--;)
さすがに、もうキツイ。来年は勘弁してくれ・・・・・。
10/06/16

長谷川君、ご結婚おめでとう!!

!! 祝 !! (10月の話ですが・・・(^^;))

油画研究室助手の長谷川君の結婚式に出席しました。



おめでとう!しあわせいっぱいのツーショット。


新郎新婦を囲んで、油画・嵯峨芸の同期集合!
みんな元気にしているようで、よかった。こういう、おめでたいことで集まれるのは良いよね。

ちょっとしたカードから、会場内に展示されているもの、映像やプログラムまで、ほぼ全てにわたって二人のアイディアや気遣い満載の、とても素敵な、楽しい結婚式・披露パーティーでした。
出席していた未婚女性を中心に、既婚中年男性まで、みんなが「あぁ、私も結婚したい!」と、思わず口にするほどでした。


お色直しの間は、新郎新婦の顔出し看板がお付き合い。
これまた優れもの!よく出来てるし、主役がいない間の盛り上げ役としてきっちり仕事をしてくれてます。
油画同期の二人が早速顔を出して記念撮影!
「鈴木さん、届いてないよ!」


高田さん(造形基礎助手)もノリノリ!

でも・・・横から見るとちょっと間抜け。


ワイングラス越しの小畠先生(元油画分野非常勤講師)。


初めての共同作業といえば・・・・・これですね。定番です。ケーキカット!!


感動のフィナーレへ。新婦の「両親への手紙」朗読。
つい、ほろりとしてしまうシーンです。


・・・が、踏んでるよ!長谷川君!!ドレス踏んでる!


油画研テーブルの集合写真。
みんなが手に持っているカードは、新郎新婦のもじもじくんカード。
S・A・G・A・Y・U・G・A、さがゆが、嵯峨油画 となります。
普通なら、キャンドルサービスってところでしょうか。ありきたりのこととで済まさないであくまでもオリジナリティにこだわる、手作り感のある、二人の人柄とこれからの素敵な生活が感じられる、とっても良い結婚式・披露宴でした。

それにしても、披露宴までも作品として(?)創り込んでるなんて、さすがだね。
大学時代によほど良い先生に教わったに違いない。(^^;)

・・・・お幸せに・・・・ (^^)

09/12/08

「Landscape of Fragment」 ギャラリー睦 個展



Landscape of Fragment

断片の風景。 直訳すればそうなるのだろう言葉を今回の個展のタイトルとした。

一部分だけしか見えない絵画を目の前にした時、あるいは目にしている作品がそれの全体像ではなく、さらに広がる画面の一部なのだと気付いたとき、絵画の全容は観るもののイメージによって無限の可能性をもって広がっていく。
この展覧会では、それを積極的に取り込んだ制作・展示を行っている。

通常は会場壁面の中心に展示されるはずの作品は、ここでは壁面の隅に、天井の縁に、床に、ぴったりと寄せて展示されている。
展示空間の中で実際に見えている画面がその作品の全体ではなく、壁の奥に、天井の上まで、床の下へ、それぞれ続きがあるかのように感じて観てもらえるだろうか。見えていない、その奥の隠された(埋め込まれた)画面を、それを含めた絵画全体をイメージしてもらえるだろうか。壁の奥に続いてあるだろう絵を、天井のずっと上まで、床下のフロアまで続いている絵の一部をこの場で見ている、吹き抜けの空間をフレーム越しに眺めるような中空に居るような浮遊感を感じてもらえたら・・・。

その時には絵画は観る人の想像力に支えられながら、イメージも、スケールも、その度ごとに変化しながら新しい感覚を呼び起こしてくれるだろう。そして、展示の土台でしかなかった強固な不動の部屋の壁が、緩やかな浸透性を持った表皮のような可変の仕切りに感じられてくるのではないだろうか。壁の表面が波打ち際の揺らぎにも似た流動性・柔軟性を持って、部屋の空間が微妙に異質のものへと変化していく。

部分のみによる展示で作品は、絵画は成り立つだろうか。
そんな事を考えながら制作をはじめたような気がするが、壁を少しだけ操作して空間を作り変える、徐々にそういうことに意識の中心が向かっていたように思う。

そんな展示空間を私自身が一番楽しんでいるのかもしれない。

2009年9月





展示風景。ギャラリーは3つのブロックに別れている。








絵画の部分を見る。
実は画集などでは解説の為の部分拡大図を見慣れているし、自分自身の作品でも仮に立てかけて重ね置きした作品や、折れ曲がった雑誌の写真、画像編集中のコンピューター画面など、そういう場面には実はかなり多く接している。

作品のあり方としてそれがすごく気になりだしたのは、コラボレーションの作品を再展示した時のふとした思い付きがきっかけだった。
それは、平面作品(和紙)を展示した壁面全体にテーピングによるインスタレーションを施すといった作品だった。
展覧会終了後には平面作品上のテーピングは(はがれないので)そのまま残るが、展示期間中にはあった壁に直接貼られた部分のテープが無い状態になる。壁全体から和紙部分だけ・壁の一部を切り取ったような事になる。
再展示の際には、全体を再現しようと思っても、壁に直接作業されたテーピング(ドローイング)はもう無い。
だから、その切り取った壁を別の壁に移植するような、不思議な感覚を抱えた展示になる。
だったらいっそのことその部分は無いまんま、見えない部分は壁の中に埋まってしまっている事にしよう。そんな思い付きだった。
たまたま展示作業日に会場に行く事が出来ずに、展示の指示書だけを他人にゆだねたのも幸いしたのだろう。(ちゃんとに額縁がついた絵の隣りにそんな展示をしてしまう気まずさを、まったく意識せずに済んだ。)
















部分としての絵を描く。
この制作は意外なほど苦しんだ。実際に巨大な絵を制作して、その一部をトリミングして展示するのではなく、「部分として全体を制作する」のがこんなに大変だとは思わなかった。
要は構図の悪い絵を描くと言う事になるのだから。
しかもただバランスが悪い、いわゆるコンポジションのアンバランスさではなく、すてきな全体を感じさせる部分を、全体図として制作する。
まともな一作品を構想してから、その部分を描くのではどうしても単なる部分になってしまう。
それがなんとも、むずがゆい、難しい仕事だった。



オープニングパーティ。ここのギャラリーのオープニングパーティは豪華なんですよ(^^)v
遠くからもたくさんの方が来てくれました。ありがとうございました。

そういえば、会えなかったけど卒業生の奥本君も、遠くから来てくれました。ありがとう!

パーティーの合間にギャラリーの前庭に出てみると・・・

なんということでしょう!といった感じの、きれいな夕焼け空。


今回の特別出品作品。息子の夏休みの工作。
・・・・・・・実はこれが一番評判が良かった。
09/12/03

アートカクテルin笠間 ギャラリー桜

今回のアートカクテルでは、駅前の陶芸ギャラリー「ギャラリー桜」さんで展示させていただいた。


普段は陶器の展覧会ばかりなので、棚やテーブルに作品が置かれるのだが、今回は平面作品なので壁を中心に展示される。
せっかくなので、オーナーのイメージで陶器の作品を選んでもらってコラボレーション展示。
後半は陶芸作品を入れ替えて、急須作家の作品が並んだ。



オーナーの寺崎さんには、おいしいご飯、焼酎、デザート・・・・、たくさんご馳走になりました。
皆さんとても優しく、良くしてくれて・・・。
笠間を訪れた人たちが、ほとんどみんな「良い街だった!」「また行きたい!」と言うのは、笠間の人たちの温かさに触れているからなんだな。それがよくわかった。


学生たちの展示する店舗のすぐ隣の「常陽銀行」のウィンドウにも展示。
交差点に面した場所で、夜はライトアップされる。
09/12/02

マークさん


アクリル絵具のGOLDEN社のCEO、マークゴールデンさんと。

このところ、毎年秋にはゴールデンアクリル絵具の販促キャンペーン、実技講習会でマークさんが来日。
いつも京都嵯峨芸術大学油画研究室へ寄ってくれるので、お友達感覚。来年はニューヨークで会う約束。

なんか、熊のぬいぐるみみたいで好きだわぁ(^^)
09/12/02


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